突然ですが、あご(トビウオ)が飛んでいるのを見たことがありますか?
9月に入ると、上五島に北風が吹き込んできます。これが、通称「あご風」。
この風に乗って、あごが一斉にやってきて、島は10月初旬まであご漁に湧きます。
あごって鳥みたいに飛ぶんです、水面の上を何百メートルも。
ときどき勢い余って船に突っ込んでくるのもいます。群れが飛ぶと、わっと落ち葉が舞い上がるようで壮観ですよ。
なぜそんなに詳しいかって?
私は7〜8年前に3年ほどあご漁師をやっていたんです。
上五島の名産品「あごんちょび」を開発するために、中古船を平戸漁港で買い、乗って帰った私を見て、こころさんはびっくり仰天。
当時は「あごだし」ブームが到来してあごの確保が難しかったので、自分で獲ろうと考えたわけです。おかげさまで、経済産業大臣賞をいただいて人気商品となりましたが、今は手が回らないのでお休み、船も手放しました。
私たちが子どもの頃は、秋になると島中の家が庭先に炭火を起こし、出汁を取るためのあごを1年分焼きました。
体長15センチほどの「小とび」は、全国でも有川〜平戸のあたりの海でしか獲れない島の宝。炭火で焼いて、「あご風」の力を借りて天日干しした焼きあごのだしは、香ばしさが絶品です。
あごの炭火焼きは島の風物詩でしたが、今ではほとんど見かけなくなりました。
「島diningとらや」では昔ながらの製法の焼きあごを丸ごと使ってうどんの出汁を取っていますから、ぜひ皆さん味わいに来てくださいね!(慎)
※朝6時過ぎに港を出て漁へ出ていた南慎太郎社長。あごを追ってシイラの群れもやってきます。
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