このところ毎日、僕はとっても気持ちがソワソワしています。
それは、3月15日が待ちに待った「島diningとらや」の移転リニューアルオープンの日だから。
場所は、僕がこころさんと結婚して22年間暮らすうちに大好きになった、似首(にたくび)郷の海のそば。
同じ上五島でも、僕が生まれ育った隣の集落、丸尾郷の海とは表情がちがうんですよ。
2階に上がると空と海が溶けあう絶景が広がっています。
集落のみんなも「自分たちが暮らす海とは思えない」とびっくり。
朝昼夜眺めていても、光や風が変わり、飽きることがありません。
塩田も塩とうどんの工場も同じ場所に集めました。
島を訪れてくださる方々に、私たちが塩とうどんをつくっているところを見て、有川湾の漁や四季のうつろいを体感しながら、郷土料理やうどんを味わっていただきたいのです。
オープンセレモニーでは餅まきをします。
五島では、昔から家を建てたりお祭りがあったり、めでたい日には紅白の餅をまく風習があります。
父が建設業の仕事をしていたので、僕は子どものころから上棟式がある現場によく連れて行ってもらいました。
「慎もまくか」と屋根に上げてもらって餅をまくのは、晴れやかで最高に気持ちがいい!
最初に「よすみ(四隅)餅」という通常の5倍近い大きさの餅を東西南北の隅に向かってまくんですね。
中には500円玉が入っているので、子どもたちは争奪戦。
僕も、1回だけ取ったことがあります。「餅まきは上を見ずに下を見ろ」というのが名人の教えです。
今度まく紅白餅には、「塩プリン」や新発売の「TORAPAN」がもらえるアタリが入っているので、お楽しみに!
もちろん500円入りのよすみ餅もまきますよ。
ダイニングがオープンする場所は、かつて国の土地でした。
こころさんの父である犬塚虎夫さんが虎屋を1986年に創業して以来、海が見える場所でうどんをつくりたいと考えて、上五島町に談判して町の土地になったという経緯があります。
その土地を僕が町から借りて、大家族のようにみんなで塩とうどんをつくり、ダイニングを開きます。
虎夫さんもきっと喜んでくれるはず。
お彼岸のお参りにいったら、一緒にいい酒が飲めると思うんですよ。(慎)